おみそです。
何言ってるんだかよく分からないタイトルですみません。
「諦めないこと」を諦める。= いろいろやめてみれば?
ということを言いたい記事です。
諦めない人が多すぎる。
昔からどの業種、どの業界でもそうですが、「諦めなければ結果は必ずでる!」「続けることが大事!」などと語られてきた精神論ですが、ぼくが東京で音楽活動を続けていたとき、まさにこのような言葉を毎日のように聞いていました。
これは正論の中の正論ですし、別に否定したり拒絶するつもりもありませんが、この「諦めない」という言葉だけに縛られて、間違ったやり方を延々と続けている人もたくさんいます。
- 頑張っているけれど、一年前から何も成長していない。
- 頑張っているけれど、ものすごくまわりに心配と迷惑をかけている。
- そもそもただ続けているだけで頑張っていない。
アマチュア音楽業界の中にはプロミュージシャンを目指す「諦めない人」が無数にいて、ぼくもかつてはそのうちの一人でした。
諦めないこと=カッコイイことではない。
当時は「諦めなければいつかは夢がかなう!」と本気で思っていました。
周りのミュージシャン志望の知り合いもみんながみんな本気でそう思っていました。
年を重ね、いつしか「諦めないこと=カッコいい!」みたいな雰囲気を感じるようになりました。20代後半~30代の夢追い人のかたの中に、こーゆー人多いと思います。
これは個人的な感覚なので、「オメーが勝手に思ってるだけだろ!」との声も聞こえますが、ひとまず許してください。
でも、いつまでたっても芽が出ず、数年前とほとんど変わらないような生活をして、結婚もせず、収入も一ヶ月暮らすのがやっとの金額…。
そんな「やりたい事をただやっているだけ」の人ってカッコよくもなんともないですよね。
ぼくも諦めた。
ぼくも夢を諦めたひとりです。
東京に出て「スーパースターになる!」というでっかい夢を持ってました。詳しく書くと「本場アメリカと渡り合える、本物志向の日本人R&Bシンガー」になりたかったんです。
平井堅、久保田利伸、清水翔太、…実力は男性シンガーは日本にもたくさんいますが、もっと本物に近づきたかった。というか「本物の黒人」になりたかったんです。
専門学校に通い、個人レッスンも受け、色んなCDを聞き、ライブをやり、一人カラオケでめっちゃ練習しました。
でも「努力では越えられない大きな壁」にぶち当たり、その後、諦めることを決意しました。
この「壁」の話は、別の機会にご紹介しますが、今まで金と時間と情熱をつぎ込んできた「音楽」をやめるのは、本当に勇気が必要でした。
周りの人に「もったいない」と言われながらも、個人レッスンをやめ、ひとりカラオケもやめ、ライブ出演の誘いも断りました。
「音楽」から距離を置きました。それほど音楽に触れるのが恐くなっていたのです。
いろいろやめたら別の世界が見えた。
でもその決断は正解でした。
音楽をやめたぼくは、その後不動産会社に就職します。
すると、今まで味わったことのない「普通の生活」を知ることになるのです。朝起きて会社に出勤、昼休憩を挟んで夜まで仕事。終われば上司と飲み…。その繰り返し。
給料は安かったですが毎月もらえるし、ちゃんと「社会の中の一員」として生きている感覚が新鮮でした。
ただ、飽きっぽいぼくはその後建築会社へと転職します。
不動産も建築も個人的にとても面白い業界でしたが、なかなか上がらない給料と発展性のない東京生活に疲れ、実家へ戻ってきます。
そして結婚し今に至るのです。
諦めることで新しい発見があるよ。
実家に戻ってからは結婚と出産、子育て…。数年前のぼくからは想像もできないくらい「平凡なくらし」を送っています。それは全然嫌ではありませんし、むしろ超幸せです。
平凡ですが、新しい家族ができ、毎日のように新しい発見があります。
- 「女性(奥さん)はこうすると喜ぶのかぁ。」
- 「子供ってほんとうに親に似ている。」
- 「自分ってこんなにも優しくない人間だったんだ…。」
- 「お金を稼ぐにはどうしたらよいか?」
などなど、ひとりで音楽に没頭していた時には知る由もなかったことばかりです。
もしあの時、音楽をやめてなかったら未だに東京で「夢を追う生活」をし続けて消耗していたかもしれませんw
まとめ
「夢を追うこと」が悪いわけではありません。
だってぼくも今、新しい夢を追いかけているから。
でも、「諦めなければ夢は叶う」という幻想に取り憑かれ、30代40代になっても発展しない生活を送っているのはどうかと思うのです。
親や妻、子供、家族があればなおさら、そんな身勝手な生き方はできないはずです。
30代独身なら結婚しろ。
40代妻子持ちなら定職につけ。そして傍ら夢を追え。
いつまでも「夢見る少年少女」じゃ、この先やっていられなくなります。
現代はネットも普及し、「多様性の中の個性」を尊重する文化が浸透してきており、
- 一生結婚しない生き方
- どんだけアウトローでも、好きなことやってりゃカッコイイ
- 平凡なくらしなんてクソ食らえ!私は私を生きる。
みたいなライフスタイルに憧れる人が多くなっていますね。でもそれでうまくいくのはほんのひと握り。大半のひとはいつか、自分の力のなさに気付いて「諦める選択」をするでしょう。
でもその時はもう遅いかもしれませんよ。
女性なら子供出来にくい年齢になってるかもしれません。親の介護が目の前に迫っているかもしれません。その時、あなたの貯金はいくらありますか?
「夢見る少年少女じゃいられなくなる日」がくるのです。
だからこそ、「諦める」ということをひとつの選択肢として考え、自分のやっていることに見切りをつけることも大事ではないでしょうか。
これもすべて「負け犬の遠吠え」でしかないのですが、いつぞやこの話を説得力あるものに変えるべく、今日もおみそは夢を追い続けます。。。