おみそです。
トヨタのハイラックスが復活してはや1年半。最近では街中でもその姿を見かけるようになってきました。
「日本でピックアップトラックは売れない!」という世間の風潮に一石を投じるかのようなハイラックスの復活。もしかしてこれからはピックアップトラックの時代が来るかもしれません…。

写真:トヨタ公式サイト
さて、ぼくもこれまでピックアップトラック関連の記事をいくつか書いてきましたが、「フルサイズピックアップトラックをちゃんとおすすめした記事」ってないなぁと思い、改めて書くことにしました。
アメリカでは当たり前のように走っているピックアップトラックですが、日本でそのドデカイ姿を見かけるとついつい注目しちゃいますよね。
「ピックアップトラックってどんな車なんだ?」という人も「アメ車大好き!ピックアップトラック欲しい!」という人も、「おれはスポーツカー派だ!」というアナタも是非読んでみてください。
P.U.T(Pick Up Truck)の魅力が少しわかるかもしれません。(「P.U.T」はぼくが勝手に略してるだけです。)
目次
ピックアップトラックとは?
ハイラックスが復活したおかげで、馴染みのない日本の車好きにも少しずつその存在が認知されはじめたピックアップトラック。
日本でも走っていなかったわけではないですが、現代の日本車市場は軽自動車・エコカー・SUVが圧倒的な人気を誇っています。
ピックアップトラックがどんな車なのかは、以下の記事で触れていますので見てみてください。
ピックアップトラックはどれもボディサイズが大きいイメージですが、実はミドルサイズ・フルサイズ・ヘビーデューティーなど、大きさの部類分けがあります。
今回はその中でもメジャーな「フルサイズピックアップトラック」にスポットを当ててご紹介します。
いかにもアメリカらしいスケールのデカさにご注目ください。
フォード「F-150」Raptor

写真:Ford
アメ車といえばこの「Ford」をなくしては語れないでしょう。
アメ車を知らない人も一度はどこかでこのロゴマークを見たことがあるはず。アメリカ自動車産業のビッグスリーと言われるメーカーのうちのひとつです。

アメリカにおける2018年度新車販売ランキングではこのFord「Fシリーズ」が第一位となっています。それだけ本国の人にも支持されており、生活に根付いた車ともいえるでしょう。
この「Raptor(ラプター)」はそのFシリーズ「F-150」の中でもオフロード性能を高めたハイパフォーマンスグレードにあたります。
「Raptor」とは英語で猛禽類(タカやワシ、フクロウなど)の意味。「獲物を狙ったら逃がさない!」その機動性と野生的な強さが滲み出るネーミングですね。米国ステルス戦闘機F-22にも同名の愛称「ラプター」が付いており、なんとも男心をくすぐる感じです。
F-22とF-150ラプターがコラボレーションしたイメージ画像もあり、ザ・アメリカ!って感じでめちゃくちゃカッコイイです…。

カーゴボックス(荷台)のサイドにも「Raptor」のロゴが。こうゆうのってアメ車の4×4とかピックアップではよく見かけるようなロゴデザインですが、洗練されたスマートな車が好きな人から見たら「ダセェ!」って思われるかもしれません。しかし、これこそアメ車らしさであり、このなんとも言えないダサカッコイイ感じが良いのです!

写真:Ford
スペック
F-150ラプターの基本スペックは以下の通り。
・タイプ…Super Crew+5.5ft Box
・全長…5890㎜
・全幅…2459㎜
・全高…1994㎜
・ホイールベース…3708㎜
・エンジン…高出力3.5ℓ V6エコブーストエンジン
・最高出力…450hp/5000rpm
・最大トルク…510lbft/3500rpm
・特徴…オフロードFOXライブバルブレーシングShoxが装備され、様々な地形に応じた素早い反応が可能となっており、トレイルコントロールシステムと合わせてどんな悪路も走り抜けられるよう設計されています。そのため、一般道での走りもスポーツカーや高級セダン並みとか…。

写真:Ford
スペック表を見てもそのスケールとパワーのデカさに驚きますが、Fシリーズには更に上のサイズ「スーパーデューティー」というクラスがあり、F-250、F-350、F-450と数字が大きくなるにつれてもっとデカい車になっていきます…。まさにモンスター級。バケモノです。
さて、気になるのはラプターの価格ですが、F-150の最高グレードだけあって1000万円を越えてきます!!部類としては「トラック」なのに超高級車レベルですね…。
日本でもわずかに出回っていますが、超高級車扱いのため「価格:応相談」のところもあります。もし「欲しいぜ!」って方がいたらお店に問い合わせてみてください。
ぼくもいつか乗ってみたい車のひとつですが、当分は手に届きそうにないのでF-150ラプターのミニカーでも探します…。ホットウィールにあったかな…?
シボレー「シルバラード1500」

写真:Chevrolet
こちらも御三家「ビッグスリー」のうちのひとつ、ゼネラルモーターズ(GM)の傘下「シボレー」です。
シボレーの金色の十字マークも「アメ車っぽい」って感じですよね。てか、アメ車ですもん。
「シルバラード1500」はそんなシボレーを代表するピックアップトラックです。先ほどのフォード「F-150」に続き、本国アメリカでの販売台数第二位です。
フロントの顔つきが他のメーカーの車に比べると独創的で、昔からの四つ目ヘッドライトも健在です。最新の2019年モデルではその四つ目もいくらかデザインが変わっていますが、グレードや選ぶパッケージによってフロントグリルの仕様も変更できるみたいです。

写真:Chevrolet
アメリカではピックアップトラックを単なる作業車・乗用車として乗るだけでなく、高級ピックアップに乗ることが一種のステータスになっているという話もあります。それだけあって最近のピックアップトラックの内装は本当に豪華でラグジュアリーです。
このシルバラードも内装が美しい…。

今や、「アメ車だから」とか「ピックアップトラックだから内装がチープ」なんてことはないのです。
スペック

シルバラード「ハイカントリー」
2019年新型シルバラードのスペックはこちら。
・タイプ…「ハイカントリー」Crew Cab+Short Bed
・全長…5885㎜
・全幅…2063㎜
・全高…1918㎜
・ホイールベース…3745㎜
・エンジン…5.3ℓ ECO TEC3 V8エンジン
・最高出力…355hp/5600rpm
・最大トルク…383lbft/4100rpm
・特徴…2019シルバラードは様々なところに利便性を考えた設計がされています。そのひとつがこのリアバンパーのコーナー部に作られたステップです。これがあるだけで荷台の乗り降りも楽になりそうですね。

価格は500万台~700万台くらいが日本の相場のようです。しかし2019年モデルはまだほとんど出回っておりませんので、気になる方はお近くのシボレー取扱店に相談してみてください。
全体に四角いフォルムのイメージが強いシルバラードですが、そのおかげで実物を目の前にするとかなりのデカさを感じます。リフトアップでもしていれば尚更です。
「デカくてアメ車らしい車に乗りたい!」という方にはおすすめの一台かもしれません。
Ram「ラム1500」

写真:Ram Trucks
ビッグスリー「クライスラー」の傘下にはいる「Ram(ラム)」。以前はダッジ・ラムとして日本でも一部のファンに支持されていましたが、現在はダッジブランドから離れた「ラム・トラックス」の名前で販売展開しています。
印象的な羊のロゴマークはダッジ・ラムのときのロゴをそのまま引き継いでいます。

この羊マークとフロントグリルにでかでかとあしらわれた十字マーク。とてもオラオラな雰囲気があり、日本ではやんちゃなお兄さんが乗っていそう…。この威圧的で攻撃的なフロントフェイスはアメリカでも人気です。
最新モデルでは「RAM」の文字を採用し、少し落ち着いた雰囲気になっています。ただ、グレードによって専用グリルがあり、おなじみ十字マークの顔の車種もありますよ。

写真:Ram Trucks
ラム・トラックスは乗用車としての自動車販売ではなく、本来の商用トラック部門に力を入れているそうで、そのラインナップは他のピックアップトラックメーカーと比べると「ビジネストラック・ワークトラック」のイメージが強いです。


写真:Ram Trucks
これはこれでカッコイイですけどね!こんなカッコイイトラックなら傷つけたくないし、ものすごく慎重な運転になっちゃいそうです。
スペック
ラム1500のスペック表はこちら。
・タイプ…「ララミー・ロングホーン」Crew Cab+5.7ft Box
・全長…5916㎜
・全幅…2085㎜
・全高…1971㎜
・ホイールベース…3673㎜
・エンジン…3.6ℓ V6 24V VVT eTorqueエンジン
・最高出力…305hp
・最大トルク…269lbft
・特徴…エンジンには「eTorque」というマイルド・ハイブリッドシステムが組み込まれており、従来のラムトラックに比べて大幅な燃費性能の向上が期待できます。「アメ車は燃費が悪い」そのイメージを払拭するかのようなラムの進化。これからアメ車はもっとエコな車に近づくかも…?
このようにトラックに注力しているラムもマイルド・ハイブリッドの導入やボディの軽量化を図り、燃費の向上に力を入れています。
中には「燃費を気にするなんてアメ車らしくない!」という声も聞きますが、環境に優しい車に近づくならそれはそれで良い事だと思います。とくにSUVや四駆、ピックアップトラックなんかはアウトドアやキャンプなど自然に近い場所で運転されることが多いのでなおさらです。
ラム1500の日本における中古車の価格帯は400万円台~800万円ほど。最新のモデルはやはり700~800万円しますが、少し型落ちであれば300万~400万円ほどで購入できます。
こういう車のオーナーさんは車を綺麗に保ってる人が多いので、型落ちでも状態の良い車を見つけられるかもしれません。
また、最新モデルは装備や機能面、ナビゲーションシステムなどどれも充実していて、下の動画なんて見たら明日にでも欲しくなっちゃいますよ?(液晶モニターでかっ!)
気になる動画はコレ↓↓↓
GMC「シエラ1500」

写真:GMC
GMCはゼネラルモーターズが展開するSUV・ライトトラックブランドです。
たま~に街中でGMCのロゴの付いたSUVやバンを見かけることもありますね。その多くが型落ちのモデルだったりするので「故障とか大丈夫かな?」と心配にもなりますが、みなさん大事に乗られているようです。
さて、「シエラ1500」はそんなGMCのフルサイズピックアップトラックです。こちらもまたスケールがデカくてカッコイイです。
個人的には顔はフォードやラムのほうが好みなんですが、大きめのヘッドライトとまるで壁が押し迫るようなフロントフェイス、赤い「GMC」のブランドロゴ。この無骨な感じが好きな方も多いはずです。
実はGMCの「トップキック」という業者向けの商用ピックアップがトランスフォーマーの「アイアンハイド」というキャラクターとして登場するんです。シエラ1500とはまた少し風貌が違いますが、GMCロゴはそのまま、黒い巨体がトランスフォーマーにピッタリです。

トランスフォーマー「アイアンハイド」のおもちゃレビューを書いているブログを見つけたので、載せておきます。おもちゃですらカッコイイ…。⇒玩栗犬 新ホビーマニアクス
人型ロボットに変身するなんてとんでもない機能を備えた車ですが、シエラ1500も負けてはいません。スペック表の『特徴』でご紹介します。
スペック
シエラ1500のスペック表です。
・タイプ…「デナリ」Crew Cab+Short Box
・全長…5886㎜
・全幅…2063㎜
・全高…1917㎜
・ホイールベース…3745㎜
・エンジン…DFM搭載5.3ℓ EcoTec3 V8エンジン
・最高出力…355hp/5600rpm
・最大トルク…383lbft/4100rpm
・特徴…トランスフォームまではしませんが、「GMC MultiProテールゲート」という世界初6つの機能を持ったテールゲートを標準装備しています。積み込む荷物やその時その状況に応じて6種の開閉機能を使い分けるという、なんともメカ的で実用的なカッコイイ機能なのです。
↑↑↑すごいですよね?
日本の車でリアゲートにここまでこだわっている車はありません。アメリカ人の生活スタイルを充分に理解しているアメリカの自動車メーカーだからこそ、ここまでのものが作れるのだと思います。
軽トラの荷台にこんな機能があったらビックリです。
USトヨタ「タンドラ」

写真:US TOYOTA
この名前は知ってる人も多いはず。
トヨタが北米向けに製造しているフルサイズピックアップトラックです。トヨタと言っても、その仕様や機能・サイズ・設計など完全にアメリカ向けに作られているので、これはもう「アメ車」と呼んでも差し支えないでしょう。
すでに出てきたアメリカ自動車産業のビッグスリー(GM・フォード・クライスラー)に対抗すべく開発されたのがこの「タンドラ」です。
しかしながら、アメリカ市場の圧倒的なシェアを持つ御三家には力及ばず、「フルサイズピックアップと言えばトヨタ!」とはいかないのです。
販売台数では御三家に劣るものの、一部のオフロードキャンパーや冒険家、オーバーランダーには支持されています。その理由は「TRD Pro」と呼ばれる、オフロードに特化したチューニングを施したモデルがあるからです。

写真:US TOYOTA
TRDプロシリーズにはタンドラ以外にも、ミドルサイズピックアップトラックの「タコマ」、SUVの「4ランナー」の3種がラインナップされています。しかもすでにTRDプロの2020年モデルが発表されていて、既存の3種に加えフルサイズSUV「セコイア」も追加されるとか…。今後のUSトヨタの動向に注目が集まります。
参考サイト⇒「オフロードの野獣」トヨタTRDプロシリーズ2020年型…シカゴモーターショー2019で発表へ
参考サイト⇒改良新型トヨタ・セコイアTRDプロ(2020年型) シカゴ・ショー
スペック
2019年タンドラの基本スペック。
・タイプ…「TRD Pro」Crew Max+5.5ft Short Bed
・全長…5814㎜
・全幅…2029㎜
・全高…1961㎜
・ホイールベース…3701㎜
・エンジン…5.7ℓ i-FORCE V8エンジン
・最高出力…381hp/5600rpm
・最大トルク…401lbft/3600rpm
・特徴…「TRD Pro」のチューニングパーツを至るところに装備し、オフロード性能を極限まで高めています。トヨタの誇る自動車技術とトヨタブランドの信頼の高さから、過酷な旅をするオフローダー達の人気を多く集めています。

写真:US TOYOTA
もちろん、タンドラにもSR、SR5、Limited、Platinum、1794Edition、TRD Proと6つのグレードが用意されており、それぞれスペックや装備などが違います。
日本の中古車市場でも(他のアメリカンピックアップよりかは)多く出回っており、グレードやパッケージも選べるのでお気に入りの一台が見つかりやすいかもしれません。
価格は300万円台~800万円台と幅がありますが、選ぶ年式やカスタムの程度によっても値段が大きく変わります。気になる方は調べてみてください。けっこう数が出てきますよ。てか、中古車サイトを見ているだけでも楽しくなってきますね。
まとめ
いかがでしたか?
かなりのボリュームになってしまいましたが、フルサイズピックアップトラックの魅力が少しわかってきたでしょうか?
ちなみに、今回ご紹介した各メーカーのフルサイズピックアップトラックには更に大きい「へヴィーデューティー」「スーパーデューティー」などのモンスタークラスもあります。ぼくも気になっていますが、乗ってみたい方、欲しい方は調べてみてください。(いつか記事にまとめますね。)
こうして様々なメーカーのP.U.T.(ピックアップトラック)を比較してみて驚くのは、キャブやカーゴベッドのサイズ、オプションパッケージなどと組み合わせると、じつに多くのバリエーションが選べるということ。日本車でもグレードやオプションなど選べますが、ここまで選べる車があるでしょうか?組み合わせでいうと100通り以上になる車種もあります。このバリエーションの多さもピックアップトラックの魅力のひとつです。
あとは…どれも価格が高い!!!
当たり前ですけど、アメリカの車ですから本国で買うほうが安くなりますし、ボディサイズもデカイんだから製造コストもかかるに決まっています。たとえ日本で買う中古車でも本体価格が高いのは当たり前の話なんです。
アメリカンドリーム…ではないけれど、高い車だからこそ憧れるし、「高級ピックアップトラックに乗りたい!」って夢も悪くはないと思うのです。
アメリカの広大な土地、アメリカ人の自由奔放な人柄、自由で個性豊かな文化…。それら全てがアメ車の要素となり、ピックアップトラックのスケールのデカさに反映されている気がしますね。
そんなアメ車のフルサイズピックアップトラック、あなたも乗ってみませんか?
それではまた。