おみそです。
先日、相棒のグランドチェロキーを洗車しましたが、翌日に雨に降られて少し元気がないおみそです。
でも「こまめに洗車してれば汚れも付きにくくなるし、いいよね!」ってことで。
さて今回は、以前ぼくが本気で相棒のじーちゃん(グランドチェロキーの愛称)を手放してまで乗り換えようと思った車をご紹介します。
その名も「グランドワゴニア」です。
Jeepファンの方はご存知かと思いますが、全然車に興味ない方は「え?なにそれ?」って感じだと思います。でもその姿を見ればなんとなく「昔の映画とかで見たことあるかも!」とかってイメージができるかもしれません。
それがとにかくカッコいいんですって!ちょっと見て行ってください。
※この記事で使用している写真の多くはJeepオフィシャルサイトより引用しております。
目次
グランドワゴニアの歴史。
1962年~1991年まで製造されていた、JeepのミドルサイズSUVです。
軍用ジープの流れを受け継いだ「ラングラー」と肩を並べ、洗練された乗用車としてJeepブランドを引っ張ってきたのがこのグランドワゴニア(Grand Wagoneer)と言えます。
グランド・ワゴニアが生まれたのは1960年代。その歴史をさかのぼってみましょう。
初代ワゴニア
1962年、Jeepは1963年モデルのワゴニア(Wagoneer)を導入します。初代ワゴニアはグランド・ワゴニアや後のチェロキー、グランドチェロキーの親的な存在の車と言えます。

1963年モデルワゴニア。
それまでの軍用的なJeepやそこから派生した古いイメージの車たちとは一線を画し、より近代的で革新的な乗用車として誕生したのがこのワゴニアでした。
Wagoneerは、乗用車風のスタイリングと快適性、利便性に四輪駆動のメリットを融合した革命的なクルマで、革新技術や業界初となる装備機能を満載していました。例えば、4×4モデル初のオートマチックトランスミッションや独立懸架式フロントサスペンション、業界初のオーバーヘッドカム6気筒トラックエンジンやオートマチック フルタイム4WDシステムなどです。
引用元:Jeep公式サイト
そして後の1984年、ワゴニアは小型ワゴニアおよびCherokee XJモデルの導入にともない、「グランドワゴニア」と改称されることになるのです。
スーパーワゴニア(SJ)
1965年、ワゴニアの高級版「スーパーワゴニア」が登場します。
スーパーワゴニアは別名「Super Custom」と呼ばれ、4×4のタフな走りとセダンのような快適性を追求した高級ラグジュアリーSUVの開拓者となっていきます。価格はなんとワゴニアの2倍!内外装、性能ともに最上級であることが伺えます。

1966年スーパーワゴニア。

スーパーワゴニアの内装。
グランドワゴニアの特徴と言うべき、ボディ周りに施された木目調仕上げはこのスーパーワゴニアから受け継がれています。

木目調のボディパネル。字体もおしゃれでカッコイイ。
グランドワゴニアの登場
1978年~1979年に生産されていた「ワゴニアリミテッド」はスーパーワゴニアの後継車種として後に名前を変えます。「グランドワゴニア」の登場です。

ワゴニア・リミテッド。
ワゴニアからスーパーワゴニア、そしてグランドワゴニアとモデルを重ねるごとに「ラグジュアリーSUVの開拓者」は革新的な進化を遂げています。最も大きな点は、手動で切り替える必要のないフルタイム式クォドラトラック4×4システムの導入です。
革命的なシステムを導入した4×4史上最高のラグジュアリーモデルであるグランドワゴニアは、ある雑誌に「四輪駆動のシャンパン」という名前で紹介されているそうです。

1984年グランドワゴニア。
同じ頃、ワゴニアから派生して1973年、初代チェロキーも登場します。現在のチェロキーは4ドアモデルのみですが、この頃のチェロキーは2ドアなんですね。
やはり見た目はグランドワゴニアと似ていますが、スポーツステアリングホイールを採用したり、フェンダーフレアを持つモデル、持たないモデルの2種類のボディスタイルが選べるなど、より若者やアウトドア志向の人を意識した作りになっています。
いやぁこの頃のチェロキーもカッコいいですねぇ!!

1974年チェロキー。
後期グランドワゴニア

1984年グランドワゴニア。
高級SUVのスタンダードとなったグランドワゴニアは1991年モデルまで製造されます。
最後のグランドワゴニア(SJ)1991年モデルにはダッシュボードに“Final Edition”のバッジが飾られています。このモデルを最後にグランドワゴニアは姿を消し、代わってグランドチェロキーが高級ミドルサイズSUVの座を受け継いでいきます。
そして1990年代以降、ラングラーをはじめ、チェロキー、グランドチェロキー、コンパス、パトリオット、コマンダー…などの近代車種が時代の筆頭になっていくのです。
グランドワゴニアの歴史を辿ってみましたがいかがでしたか?次は1990年モデルのグランドワゴニアの内外装を見ていきましょう。
覚悟はいいですか?めっちゃカッコイイですよ…。
今となっては個性的過ぎる外観
グランドワゴニアは1991年まで製造されていたとはいえ、すでにオールドカーの仲間入りをしてるといっても過言ではありません。

1991年グランドワゴニア・ファイナルエディションモデル。
角ばったフォルム、サイドとリアの木目調パネル、随所にあしらわれたメッキパーツ、時代を感じさせるツマミ式の機器類…。
その姿は今となってはあまりにも個性的過ぎるデザインと言えます。だってこんな車、街中で見たことないでしょう?
物好きなお金持ちおじさんや、○○○マガジンの編集長、「お洒落の為なら冬でも半ズボン」みたいな意識高いおしゃれ系お兄さんあたりが乗っているイメージですが、普段はなかなかお目にかかることはできません。
内装だってすごいんですよ。
エレガント!ラグジュアリー!お洒落な内装。
古い車ですが、その内装は雰囲気がありとってもお洒落。

グランドワゴニアの内装。
映画のワンシーンやファッション雑誌の一面、ミュージックビデオなどに出てきてもおかしくないくらい、完成されたエレガントさがあります。

白とベージュを基調にしたカラーデザイン。
写真:funmee!!

白とベージュを基調にしたカラーデザインと木目柄パネルがとてもよく合っています。メーターや空調機器類もレトロで時代を感じさせますね。
「古い車だし、窓も手動なんだろうな…。」と思いきや!
窓はパワーウィンドウ!おまけにシートだってスイッチひとつで位置を調整できる電動シートです!

写真:funmee!!
見た目のレトロ感からは想像できないくらい、快適設備が満載でそのギャップに驚きです。

2列目はベンチシート。古いアメ車らしさを感じます…。
スペック
グランドワゴニアはデビューの1962年から生産終了の1991年までに、3回も販売会社が変わっています。(カイザー⇒AMC⇒クライスラー)今回はその中でも後期のクライスラー時のグランドワゴニアを見てみようと思います。
・全長…4800㎜
・全幅…1900㎜
・全高…1800㎜
・トランスミッション…3速オートマチック・パートタイム4WD
・定員数…6名
・エンジン…5.9ℓ V型8気筒OHVエンジン
・最高出力…144ps/3200rpm
・最大トルク…38.7kgm/1500rpm
・特徴…グランドワゴニアは1ナンバー(普通貨物自動車)登録が可能なので、税金を安く抑えられます。その代わり車検が1年ごととなります。ちなみにハイエースやピックアップトラックも1ナンバー。
「5.9ℓ V8エンジン」といかにもアメリカンマッスルなパワーを持ち合わせていますが、やっぱり古いアメ車なので燃費はクソ悪いみたいです…。色々調べてみるとまぁまぁ走って4~5km/Lがいいとこみたいです。
まぁ、この時代のアメ車に燃費性能を求めちゃいけませんよね。
めちゃくちゃ欲しかったグランドワゴニア。
欲しかったんです。
ちょっとレトロな4WDに興味があった時期があって、色々調べてみたらこのグランドワゴニアに行き着いたんです。
アウトドアシーンやキャンプ場でも少し古いボルボや古いアメ車なんかに乗ってきてる人いるじゃないですか。その雰囲気にすごく憧れて、「オレもあんな車に乗ってキャンプに行きたい!」って思ったんです。(そうやってすぐ影響されちゃう…。ほんとカメレオンみたいですね。)

で、色々カーセンサーとかGooネットとかで探してみると、少ない数ですがグランドワゴニアも出回っていたんです。まぁファイナルエディションが1991年なんで、不思議ではないですよね。しかも意外と状態が良い車ばかり。中にはデータを改ざんして出している悪徳業者もあるかもしれませんが、そのほとんどが古いアメ車を愛し、ちゃんと整備して出してくれている印象でした。
さて、気になるグランドワゴニアの価格帯は150万~300万円くらい。
絶対数が少ないですし状態や走行距離によっても差が出ますが、「250万円くらいなら現実的に考えられそうかな…?」とひそかに本気で乗換えを検討しました。
でもその頃に一番目の子供が生まれて、さすがに燃費や維持費、もしもの故障の時の修理代なんかを考えると我が家のファーストカーにするのは難しいという判断になったのです。もちろんこれはぼくの頭の中だけの思考であって、奥さんには「乗り換えたい」なんて一言も言えなかったです…。
結果的に奥さんには内緒となりましたが、「本気で夫婦会議の議題に取り上げるか?」くらいまで購入を考え、ぼくを魅了したグランドワゴニアはとても雰囲気のあるアメ車でした。

写真:funmee!!
「グランドワゴニア、かっけぇぇぇ!!」と、ぼくに影響されて気になり始めたあなたに朗報です!
実はグランドワゴニアをメインで取り扱う中古車ショップがあるんです。
そのお店の名前は「Atnik(アトニック)」。東京都町田市にあるのですが、ワゴニア・グランドワゴニア、チェロキーをメインで扱っており、グランドワゴニアがずらっと並んだお店の雰囲気はまさに圧巻の一言です。(お店には行ったことがありません。今度のぞきに行きます。)
本気でグランドワゴニアが欲しい方はまずアトニックさんに問い合わせてみるのも良いかもしれませんね。
新型の発売日は2022年か?

そんなグランドワゴニアが復活するという噂が…。
以前からグランドワゴニアの復活は噂されていましたが、開発費用の問題などで先延ばしになっているということみたいです。果たして真相は…?
2018年にユタ州モアブにて開かれた、第52回イースター・ジープ・サファリにて、「ワゴニア・ロードトリップ・コンセプト」というワゴニアをベースとするコンセプトカーが発表されていました。

ワゴニア・ロードトリップ・コンセプト
それが新型グランドワゴニア発売への伏線なのかはわかりませんが、古き良き時代の車にもう一度注目している様子が伺えます。
確かに最近のJeepはラングラー以外は「大きさが違うだけでどれもフォルムが一緒」というようなSUVばかり目立つような気がして、個人的にも少し飽きていた感はありました。
でもラングラーのモデルチェンジを皮切りに、新型グラディエーターが発表され、中国では3列シート7人乗りSUVの「グランドコマンダー」が発売。最近のJeepブランドの動きは活発で、ぼくだけでなく、世界中のJeepファンがその動向に注目しています。これはもしかして「グランドワゴニアの復活」も現実味を帯びてきたと言えるのではないでしょうか。

中国で発売するグランドコマンダー。

グランドコマンダーのコンセプトカー。
マツダのCX-8にみるように、SUVも「3列シート」の需要が高まっているため、新型グランドワゴニアも中国のグランドコマンダーのように「3列シート7人乗り」の設定になると思われます。また、現代のIoT化やナビゲーションシステムの高性能化に伴い、より使いやすく便利な機能も装備されるでしょう。
サイズはフルサイズSUV。もしかしたらサイズ的に日本への導入は見送られるかも…。いや、7人乗りSUVは日本でも需要あるし、ランドクルーザーくらいなら全然走れるサイズでしょ!
…と言いながら、期待を膨らませて今後の発表を待ちましょう。
まとめ
いかがでしたか?
現代のラグジュアリーSUVの先駆け的存在、「グランドワゴニア」。
その車の持つ雰囲気はとても魅力的でアメリカの開拓者精神を感じさせる力強いものでした。
これから時代は更に加速度を増し、自動車の性能もどんどん進化していきます。でも少し後ろを振り返り、レトロな車やオールドカーに触れることで本来の車と人との在り方みたいなことを感じられたらいいですよね。
なんかそれらしいこと言ってるけど、こんな燃費の悪い車を堂々と持てる日はいつになるやら。
好きなだけ好きな車に乗れる日を夢見て、今日もおみそは頑張ります。
あ、なんか元気出てきたかも…。
では。