おみそです。
海外ではメジャーな車旅、オーバーランディング(オーバーランド)。
ぼくはこの雑記ブログで主に「オーバーランディング」に関連する記事を書いていますが、ときどきこんな疑問が浮かんでくることがあります。
「そもそもオーバーランディングスタイルのキャンプや旅は海外で発展してきたものであって、それを日本に持ち込み、浸透させることに何か意味はあるのだろうか?」
確かにその通りであって、「オーバーランディング」という言葉は日本ではほとんど耳にしません。
これは日本のアウトドア愛好家にオーバーランドスタイルは受け入れられていないということなのか。はたまた「ただまだ日本に入ってきていないだけ」なのか。
現時点でのぼくの疑問を自分自身で分析してみたいと思います。
目次
オーバーランドは「大陸横断」。
オーバーランドという言葉を直訳すると、「陸上の、陸路の」といった意味になりますが、Over(越える)Land(陸)と分けてとらえると「大陸横断」となります。
詳しくは「【車×キャンプ】オーバーランディングの歴史を調べてみた。」で説明していますが、目的地までの果てしない旅路を楽しむこと自体がオーバーランディングといえます。移動手段は四輪駆動車や大型トラックなどですが、バイクや自転車で旅する人もいます。
国土が広く、陸続きで国境を越えるような海外ではオーバーランドも想像がつきますが、国土が狭い日本では「オーバーランディング」という言葉自体に違和感を覚えます。
日本も場所によっては山々が連なり森が広がる地域もありますが、少し道を行けば集落が出てきたり、山を越えると市街地まで行けてしまったりなど、「過酷な自然」はどこまでも続いていません。
車道はもちろん林道や山道も狭く、奥へ奥へと進んでも抜けられずに引き返さざるを得ないような道が多いです。(アメリカはそのまま抜けられる道が多い。)ルーフテントやキャンプギアを積んだ大型四駆車が日本の山道を抜けるのは無理があるかもしれません。
また日本の道路の舗装率は97%となっています。(簡易的な舗装含む)そのため、海外のオーバーランディングで見かけるような「タイヤの空気圧を調整して岩が転がる悪路をひたすら進む。」なんて状況はほとんどないのです。
日本における道路の舗装率は国道、都道府県道で簡易舗装を含めると約97 %であるが、すべての道路の割合として見た場合の舗装率は約76%となっている。
引用元:Wikipedia|舗装
このように日本の道路事情や自然環境から考えると「オーバーランディング」のような大陸横断の旅はイメージしにくいのです。
何ヶ月も旅ができるほど連休取れない。
オーバーランディングにハッキリした定義はありません。
ですので、距離や期間、旅の手段などでオーバーランディングか否かを決めることは難しいですが、海外のオーバーランダー達の旅程をみてみると、2~3週間とか1ヶ月など…結構長い期間なのです。
もちろんそれぞれの職業によっても長期休みが取れるかどうかが変わりますが、日本では長期休みが取れる仕事のほうが少ないはずです。
もし連休が取れてもゴールデンウィークの10連休くらい?
「日本一周の旅をしたいので、1ヶ月休ませてください!」
一大決心をして会社にお願いしないと、オーバーランディングのような長旅は難しいかもしれません。
そもそも「野営」できる場所が少ない。
これも国土の問題になってきますが、日本には言うほど「どこまでも広がる雄大な自然」はありません。
美しく、心から感動するような場所や景色はたくさんありますが、「広さ」だけで言ったら大陸の自然にはかないません。
「夜の日本列島」の衛星写真を見ると電気の明るさで日本の形が浮かび上がるように、どんなに田舎や山奥でも、少し行けば外灯や照明などの人工的な灯りがあります。
全く人がいない山奥でも日本の国立公園の指定区域になっていたり、だれかの私有地だったりして、安易に「野営(キャンプ)」をすると罰せられたりすることになります。
オーバーランディングや海外のアウトドア雑誌のように「だれもいない大自然の中でキャンプ」…なんて憧れますが、現実は野営できる場所はほとんどありません。
それでもオーバーランディングに憧れる。
オーバーランディングが日本に馴染まない理由をたくさん書きましたが、それでもオーバーランディングスタイルの車旅に憧れます。
「なら勝手にやってればいいじゃん。」って?
ええ。勝手にやってますw
でも、もっとぼくと同じような好みの人が増えて欲しいのです。仲間が欲しいのです。
そこで、「日本のオーバーランディングとはどういったものか?」を考えてみました。
オーバーアイランド
日本は島国です。
なのでオーバーランド(大陸横断)ではなく、オーバーアイランド(島国横断)となるのではないでしょうか。
日本一周クルマ旅。
これなら色んな人がやってます。
一周までしなくても、目的地を決めて日数をかけて旅をするだけでも充分だと思います。
1日、2日でも楽しければ良し。
別に海外のように長期間休みを取って旅をしなくても、1泊2日のキャンプに出かけても良いと思います。
出発前の準備からキャンプ場までの道中、帰り道から帰宅まで…。その期間すべてが「楽しい思い出」になれば、それはオーバーランディングに匹敵する価値があります。
少し長い連休が取れれば、家族でもっと遠くに出かけてみるも良し。全く知らない場所に行ってみるのも良い思い出になるでしょう。
ハプニングが起きたって気にしない。オーバーランディングとはハプニングさえも楽しい思い出に変えてしまうことを言うのです。
キャンプ場でもいい。宿泊施設でもいい。
野営にこだわってだれもいない山の中で無理やりルーフテントに泊まる必要もありません。
オートキャンプ場の1サイトを借りてキャンプしてもいいし、雰囲気の良さそうな旅館やホテルに泊まるのもありだと思います。(アウトドアとは少し違いますが…)
ただ、より自然の近くで自然を感じ、自然の中に溶け込む感覚を味わいたいのであれば、野営ができるスポットを探してみるのもよいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
このように日本でもオーバーランディングスタイルのキャンプや車旅は実現可能です。
特に「オーバーランド」という言葉は使っていませんが、似たようにアウトドアを楽しんでいる人もたくさんいます。
ただ、海外ではこのオーバーランディングがひとつのスタイルを確立していて、グッズやギアも充実しています。「OVERLAND EXPO」なるイベントもあるほどです。
このような文化を少しでも日本のアウトドアシーンに取り入れ、アウトドアの新しい楽しみ方が提案できればと思っています。
今後もオーバーランディングの魅力を少しづつ発信していきますね。
いろいろ書いてきましたが難しいことは考えずに「楽しければ良し!」
オーバーランディングに正解なんてありませんから。
では。